メインコンテンツへスキップ
Shisan logo
Shisan
ブログ
シミュレーション活用

インフレで資産は目減りする?実質購買力をシミュレーションで可視化

9分で読めるShisan編集部
共有:XLINE

インフレとは|「お金の価値が下がる」とはどういうことか

インフレーション(インフレ) とは、モノやサービスの値段が継続的に上昇する現象です。逆に言えば、同じ金額で買えるモノの量が減るお金の価値が下がるということです。

具体例で理解する

10年前と現在で同じ商品の価格を比べてみると:

商品 10年前 現在(例) 上昇率
カップラーメン 約100円 約180円 +80%
マクドナルド ビッグマック 約370円 約450円 +22%
山手線初乗り運賃 130円 150円 +15%
ガソリン(レギュラー1L) 約120円 約170円 +42%

「100万円あったから安心」と思っていても、10年でモノの値段が変われば、買える量は変わってきます

名目額 vs 実質額の違い

資産運用のシミュレーションでは、この2つを区別することが非常に重要です。

名目額(Nominal Value)

そのままの数字。「20年後に3,000万円」というときの3,000万円。インフレを考慮しない金額。

実質額(Real Value)

現在の物価に換算した価値。「20年後の3,000万円は、今のお金でいうと約2,000万円相当」というときの2,000万円。

計算方法

実質額 = 名目額 ÷ (1 + インフレ率)^年数

: 年率2%のインフレが20年続く場合

  • 1,000万円の名目額 ÷ (1.02)^20 = 1,000万円 ÷ 1.486 = 約 673万円の実質額

つまり、20年後に1,000万円持っていても、実質的に買える量は今の673万円分しかないということです。

インフレ率別の購買力シミュレーション

具体的に、インフレ率と期間で今の100万円の実質価値がどう変わるか見てみましょう。

インフレ率 10年後 20年後 30年後
0%(インフレなし) 100万円 100万円 100万円
1% 約 91万円 約 82万円 約 74万円
2%(日銀目標) 約 82万円 約 67万円 約 55万円
3% 約 74万円 約 55万円 約 41万円
5% 約 61万円 約 38万円 約 23万円

年率2%のインフレでも、30年で実質購買力は約半分になることが分かります。

老後資金で考えるインフレの影響

「老後2,000万円問題」を引き合いに、インフレが必要額にどう影響するか見てみます。

ケース: 35歳の人が65歳から老後生活を始める場合(30年後)

  • 名目で 2,000万円用意できたとしても…
  • 年率2%のインフレを考慮すると、実質購買力は 約1,103万円相当

つまり**「30年後の2,000万円」は「今の1,100万円」とほぼ同じ買い物しかできない**ということです。逆に言えば、今の2,000万円相当の生活を30年後にしたいなら、約3,620万円必要になります。

老後資金の必要額については老後資金はいくら必要?税引後・インフレ調整後でシミュレーションで詳しく解説しています。

現金・預金がインフレで一番危ない

「投資はリスクがあるから現金で持っておく」と考える方は多いですが、実は現金預金こそインフレリスクが最大です。

預金の実質金利

実質金利 = 名目金利 − インフレ率

日本の現在の状況を当てはめると:

預金種類 名目金利 インフレ率 実質金利
普通預金 約 0.001% 2% 約 −2%
定期預金 (1年) 約 0.2% 2% 約 −1.8%
ネット銀行定期 約 0.3% 2% 約 −1.7%

つまり**「銀行に預けるたびに、実質的に資産が目減りしている」**状態です。

100万円を年率2%のインフレ下で預金にした場合

経過 預金残高 (名目) 実質購買力
0年 (現在) 100万円 100万円
10年 100.01万円 約 82万円
20年 100.02万円 約 67万円
30年 100.03万円 約 55万円

30年後には実質的に約45万円分の価値が消える計算です。

インフレに強い資産・弱い資産

インフレに強い資産

歴史的にインフレ局面で強さを発揮してきた資産:

資産クラス 理由
株式 企業は値上げで利益を維持できる。インフレに合わせて株価も上昇する傾向
不動産 物価上昇とともに賃料・地価も上昇
金(ゴールド) 通貨の信認低下時に価値が認められる伝統的資産
コモディティ 原材料価格そのものなので、インフレと一致して上昇
インフレ連動債(TIPS等) 元本がインフレに連動する債券

インフレに弱い資産

資産クラス 理由
現金・普通預金 名目額固定で、実質購買力は確実に目減り
固定金利の長期国債 期間中の金利は固定なので、インフレに置いていかれる
満期保有の社債 同上

インフレに負けない資産運用の基本

戦略① 株式中心のポートフォリオ

長期で見ると、株式の年率リターンはインフレ率を上回る傾向があります。米国S&P500の長期平均リターンは年率約7%(インフレ控除後で約5%)です。

戦略② 分散投資

国内株 + 海外株 + 不動産(REIT)+ 一部金など、複数資産に分散することでインフレ局面のショックを和らげます。

戦略③ NISAでの長期保有

新NISAを活用すれば、運用益が非課税。インフレに勝つためには長期保有が前提なので、NISA はインフレ対策と非常に相性が良いです。

戦略④ 早めに始める(複利効果)

**インフレ対策の最強の味方は「時間」**です。年率5%で運用すれば、インフレ率2%を差し引いても実質3%の複利。30年で資産は約2.4倍(実質)になります。

Shisan で実質購買力を可視化する

Shisan のシミュレーションでは、インフレ調整後の実質購買力を結果カードに表示します。これは他の多くのシミュレーターにはない、Shisan の核心機能です。

試算手順

  1. ダッシュボードで「現在年齢」「総資産」「想定利回り」「月の積立額」を入力
  2. 「想定インフレ率」を 2% に設定(日銀目標値)
  3. 「取り崩し開始年齢」「月の取り崩し額」を入力
  4. 結果カードで以下を確認:
    • 取り崩し開始時の総資産(名目
    • 取り崩し開始時の使える資産(税引後
    • 取り崩し開始時の実質購買力インフレ調整後

結果の見方

例えば「30年後に5,000万円」と出ても、実質購買力では約2,760万円しかありません。Shisan は両方を同時に表示するので、**「将来本当にいくらの価値があるか」**を見誤る心配がありません。

まとめ

  • インフレは資産の実質価値を確実に目減りさせる
  • 年率2%でも 30年で実質購買力は約半分になる
  • 現金・預金が一番危ない(実質金利マイナス約2%)
  • インフレに強いのは 株式・不動産・コモディティ
  • 対策の基本は NISA活用 + 長期分散投資 + 早期スタート
  • シミュレーションは名目だけでなく実質購買力で見ることが鉄則

「将来◯千万円あれば安心」という考え方は危険です。**「30年後の◯千万円は、今のお金でいくら相当か」**で考えることで、正しい資産形成のゴール設定ができます。

ぜひShisanで実質購買力を試算して、インフレに負けない資産形成プランを設計してみてください。FIREやサイドFIREを目指す方は、4%ルールを日本仕様で再計算したFIREに必要な資産はいくら?4%ルールを日本の税金・インフレで再計算もあわせてご覧ください。

よくある質問

Qインフレ率2%が20年続くと、お金の価値はどれくらい下がりますか?
A

年率2%のインフレが20年続くと、物価は約1.49倍になります。つまり今1,000円で買えるものが20年後には約1,490円必要になるということで、現金の購買力は約67%(=1/1.49)に目減りします。

Q預金しておけばインフレで損しませんよね?
A

残念ながら損します。日本の普通預金金利は年0.001-0.2%程度で、年率2%のインフレに対して大幅にマイナス(実質金利マイナス1.8〜2%)です。預金額の名目数字は減らなくても、買えるモノの量が確実に減ります。

Qインフレに強い資産とは何ですか?
A

歴史的には、株式・不動産・コモディティ(金など)がインフレに強い資産とされます。これらは物価上昇とともに価格も上昇する傾向があるためです。逆に最も弱いのが現金・普通預金で、固定金利の長期国債もインフレに弱い資産です。

Q日本のインフレ率の目安は?
A

日本銀行は「物価安定の目標」として消費者物価の前年比上昇率2%を目標に掲げています。2020年代以降は年率2-3%で推移するケースが多く、シミュレーションでは年率2%を保守的な目安として使うのが一般的です。

Qシミュレーションでインフレ率を考慮しないとどうなりますか?
A

将来の資産額を「名目」で過大評価してしまい、実際の購買力を見誤ります。例えば30年後に5,000万円あっても、年率2%のインフレが続けば実質的な価値は約2,760万円相当しかありません。老後資金の計画では実質購買力で考えることが重要です。

共有:XLINE

本記事は情報提供を目的としており、投資・税務に関するアドバイスではありません。実際の投資判断・税務処理はご自身の責任において行い、必要に応じて専門家(税理士・ファイナンシャルプランナー)にご相談ください。掲載情報は執筆時点のものであり、税制改正等により内容が変わる場合があります。詳しくは利用規約をご確認ください。

関連記事