配当金の税金|総合課税と申告分離課税どっちが得かを年収別に解説
配当金にも20.315%の税金がかかる
株式や投資信託(普通分配金)の配当には、売却益と同じく 20.315%の税金(所得税15.315%+住民税5%)がかかります。
配当金は受け取り時に自動で源泉徴収されるため、何もしなければ手取りは「配当額 × 79.685%」になります。
例:配当10万円 → 源泉徴収後の手取り 約79,685円
ただし、NISA口座で受け取る配当は非課税です(新NISA完全ガイド参照)。
配当には3つの課税方式がある
確定申告において、上場株式の配当は次の3つから選べます。
| 方式 | 概要 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 申告不要 | 源泉徴収で完結(申告しない) | 手間を避けたい人・高所得者 |
| 申告分離課税 | 一律20.315%で申告(損益通算可) | 株の売却損と相殺したい人 |
| 総合課税 | 他の所得と合算・配当控除あり | 課税所得が低〜中程度の人 |
① 申告不要
最もシンプル。源泉徴収された20.315%で課税関係が終了します。確定申告すると扶養・保険料に影響する高所得者や、手間を避けたい人に向きます。
② 申告分離課税
配当を株式の譲渡損失と損益通算できるのが最大のメリット。その年に株で損失が出ている人は、配当と相殺して源泉徴収された税金の還付を受けられます。
例:配当20万円、株の譲渡損失30万円
- 損益通算で配当への課税を相殺 → 配当の源泉徴収税 約4万円が還付
③ 総合課税(配当控除)
配当を給与など他の所得と合算して累進課税で計算し、配当控除を適用する方式。課税所得が低い人ほど有利になります。
総合課税 vs 申告分離 — 年収別の有利判定
総合課税が有利になるかは課税所得で決まります。目安は以下の通り。
| 課税所得 | 有利な方式(目安) |
|---|---|
| 〜195万円 | 総合課税(実質負担 約7%台) |
| 195万〜330万円 | 総合課税(実質負担 約7〜10%台) |
| 330万〜695万円 | 総合課税がやや有利なことが多い |
| 695万〜900万円 | ほぼ拮抗(要試算) |
| 900万円超 | 申告分離課税 or 申告不要 |
※ 課税所得=給与収入から各種控除を引いた後の金額。年収(額面)ではない点に注意。
配当控除の仕組み
総合課税を選ぶと、国内株式の配当について以下の配当控除が受けられます(課税所得1,000万円以下の部分):
- 所得税:配当所得の 10%
- 住民税:配当所得の 2.8%
この控除があるため、課税所得が低い人は実質税率が20.315%を下回ります。
総合課税の落とし穴
総合課税は配当を合計所得金額に算入するため、以下に影響します:
- 国民健康保険料の増加(特に自営業・年金受給者)
- 扶養判定(配偶者控除・扶養控除から外れる可能性)
- 後期高齢者医療制度の窓口負担割合
「所得税は得でも、住民税・保険料で損をする」ケースがあるため、総合課税を選ぶ際はトータルで試算することが重要です。
なお、かつては「所得税は総合課税・住民税は申告不要」という有利な選択ができましたが、2024年分(令和6年度)以降は所得税と住民税で異なる課税方式を選べなくなっています。課税方式は所得税・住民税で統一されます。
実践的な判断フロー
- NISAで受け取れる配当 → 非課税(申告不要)
- その年に株の譲渡損失がある → 申告分離課税で損益通算
- 課税所得が695万円以下で保険料影響が小さい → 総合課税+配当控除を検討
- 高所得 or 扶養・保険料への影響が大きい → 申告不要
Shisanで税引後の配当・資産を試算
配当を再投資すると複利効果が高まりますが、課税口座では毎回20.315%が引かれます。Shisanでは税引後の手取りベースで資産推移を試算できるため、「配当をNISAで非課税にするとどれだけ差が出るか」を可視化できます。
まとめ
- 配当金には**20.315%**の税金(NISAは非課税)
- 確定申告では申告不要・申告分離・総合課税の3択
- 譲渡損失と相殺したい → 申告分離課税
- 課税所得が低〜中(〜695万目安)→ 総合課税+配当控除が有利なことが多い
- ただし社会保険料・扶養への影響を必ずトータルで確認
- 2024年分以降、所得税と住民税の課税方式は統一
口座の選び方は特定口座と一般口座の違い、投資の税金全体は投資の税金まるわかりガイドもあわせてご覧ください。ぜひShisanで税引後の資産を試算してみてください。
よくある質問
上場株式の配当は受け取り時に20.315%(所得税15.315%+住民税5%)が源泉徴収されます。NISA口座で受け取る配当は非課税です。確定申告をしなければこの源泉徴収で課税関係は完結します(申告不要制度)。
年収(課税所得)によります。課税所得が概ね695万円以下なら総合課税+配当控除で税率が下がり有利になるケースが多く、それ以上の高所得者は申告分離課税(20.315%)が有利です。ただし総合課税は他の所得と合算されるため、社会保険料や扶養への影響も考慮が必要です。
国内株式の配当を総合課税で申告した場合に受けられる税額控除です。配当所得の一定割合(課税所得1,000万円以下の部分は所得税10%・住民税2.8%)を税額から差し引けます。これにより実質的な税負担が20.315%より低くなる場合があります。
不要です。NISA口座で受け取る配当は非課税のため、確定申告の対象になりません。ただし、配当を非課税にするには証券口座の受取方式を「株式数比例配分方式」に設定しておく必要があります。
本記事は情報提供を目的としており、投資・税務に関するアドバイスではありません。実際の投資判断・税務処理はご自身の責任において行い、必要に応じて専門家(税理士・ファイナンシャルプランナー)にご相談ください。掲載情報は執筆時点のものであり、税制改正等により内容が変わる場合があります。詳しくは利用規約をご確認ください。