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NISA・非課税投資

NISAと課税口座どっちを先に使う?併用時の最適な順番をシミュレーション

9分で読めるShisan編集部
本記事について: 税率・制度・金額等は 2026年6月2日 時点の情報です。本記事は情報提供を目的としており、個別の投資・税務アドバイスではありません。実際の判断は必要に応じて専門家にご相談ください。編集ポリシー
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記事内の試算はShisanシミュレーターで自分の数字で確認できます。(登録不要・無料)

NISAを優先すべき根本的な理由

NISA口座と課税口座を併用している人にとって、「どっちを先に使うか」は資産形成の手取りを大きく左右する重要な意思決定です。

結論から言えば、新規の積立も、取り崩しも、原則NISA優先です。理由は以下の3つ。

理由① 利益が非課税 = 確実に20.315%お得

  • 課税口座: 利益に 20.315% 課税
  • NISA: 利益に 0% 課税

同じ運用でも、長期で見ると100万円〜数百万円の差が生まれます。これは投資の世界で最も確実な「無料の利益」と言える優位性です。

理由② 長期保有での複利効果が最大化

NISAは利益にも課税されないため、配当・分配金の再投資効果がフルに効きます。課税口座では「利益→税金→再投資」のサイクルで毎回約20%が削られるため、複利効果が弱まります。

理由③ 売却時の枠復活で再利用可能

新NISAは売却した翌年(2026年改正後は年内検討中)に枠が復活します。一度使い切っても、ライフイベントで売却すれば再び非課税枠が使えるという柔軟性があります。

積立期:NISA優先のシミュレーション

具体的に「NISA優先」と「課税口座優先」でどれくらい結果が変わるか、シミュレーションで比較します。

前提条件

  • 35歳から65歳までの30年間
  • 月10万円積立(年120万円)
  • 想定利回り5%
  • 想定インフレ率2%

パターンA: NISA優先(年120万円すべてNISA)

  • 30年で1,800万円の生涯枠を15年で埋め、残り15年は課税口座
  • 30年後の名目資産: 約 8,275万円
  • うち税金: 約 168万円(後半15年の課税口座分のみ)
  • 税引後の手取り: 約 8,107万円

パターンB: 課税口座優先(NISA枠を後回し)

  • 30年間ずっと課税口座のみ
  • 30年後の名目資産: 約 8,275万円
  • うち税金: 約 723万円(全期間の課税口座運用益にかかる)
  • 税引後の手取り: 約 7,552万円

差額: 約 555万円

→ 同じ月10万円積立でも、NISA優先と課税口座優先で約555万円の手取り差が出ます。これが「NISA優先で運用すべき」根拠です。

取り崩し期:NISA優先取り崩しの効果

積立期だけでなく、取り崩し期もNISA優先が定石です。

なぜ取り崩しもNISA優先か

老後にNISAと課税口座の両方に資産がある場合:

取り崩し順 取り崩し時の税金
NISA優先(NISAから先に売却) 0%(非課税)
課税口座優先(課税口座から先に売却) 20.315%

つまり、取り崩し開始直後の数年は非課税で受け取り、課税口座は最後まで運用を続けるのが手取り最大化の戦略です。

取り崩し期のシミュレーション例

前提: 65歳時点で NISA 1,800万円、課税口座 1,800万円(合計3,600万円)。月20万円取り崩し、想定利回り3%、インフレ2%

NISA優先取り崩し

  1. 最初は NISA から月20万円取り崩し → 非課税
  2. NISA 完全使用後(約8-9年後)に課税口座へ
  3. 課税口座でも利益分のみに 20.315% 課税
  4. 資産寿命: 約 90歳まで

課税口座優先取り崩し

  1. 最初は課税口座から月20万円取り崩し
  2. 利益分に 20.315% 課税 → 手取りが減る
  3. 結果的に取り崩し額の名目が増え、資産が早く減る
  4. 資産寿命: 約 86歳まで

→ NISA優先取り崩しで 約4年分の資産寿命延長。詳細は老後の取り崩しで税金はいくら?NISA優先取り崩しの効果で具体例とともに解説しています。

ケース別の最適な順番

ケース① 30代・新規積立

順序 内容
1 新NISA をフル活用(年360万円)
2 iDeCo を併用(節税効果)
3 それでも余裕があれば課税口座

シンプルにNISAから埋める。複雑に考える必要なし。

ケース② 40-50代・既存資産あり

すでに課税口座で含み益が出ているケース:

状況 推奨アクション
含み益 < 50万円 一度売却して NISA で買い直し(税金20%強でも長期で取り戻せる)
含み益 50万円以上 慎重に判断。長期保有を続けて、新規積立だけ NISA へ

判断材料: 「今の税金 vs 将来の非課税効果」のシミュレーション。Shisan で両パターン比較可能。

ケース③ 60代・取り崩し期

残資産構成 取り崩し戦略
NISA メイン NISA から月の必要額を取り崩し
課税口座メイン NISA を先に使い切ってから課税口座へ
半々 NISA 優先で月の必要額を補填

ケース④ FIRE 達成者

  • フルFIRE: 早期に NISA を使い切るリスクがあるため、定率取り崩し(資産の3-4%)で長持ちさせる
  • サイドFIRE: 取り崩しは少額なので、NISA優先で完全非課税運用

詳しくはFIREに必要な資産はいくら?4%ルールを日本の税金・インフレで再計算で解説。

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NISA を優先しない例外的なケース

通常は NISA 優先ですが、以下のような例外もあります。

例外① 高配当株の長期保有

課税口座の高配当株は、配当を受け取りつつ売却しない戦略が可能。NISA枠を埋めるより配当再投資の方が有利な場合もあります(ただし最近は NISA成長投資枠でも個別株可能)。

例外② 損益通算したい

課税口座は損益通算ができます。複数銘柄で利益と損失を相殺したい場合、課税口座での売買が必要。NISA は損益通算できないため注意。

例外③ 短期売買

NISA は長期保有が前提の制度。短期売買を繰り返すと枠を消費するだけで利益が出にくいため、短期目的なら課税口座の方が向いています。

2026年改正後の最適戦略

2026年のNISA改正により、売却した枠が同年内に復活する可能性があります。これが実現すれば:

  • 利益確定→買い直し が同年内で可能
  • 短期的なリバランスが容易に
  • 取り崩し期の年内枠復活」で長期運用可能になる

詳しくは2026年NISA改正で何が変わる?で解説。

Shisan で「NISA優先 vs 課税口座優先」を比較する

Shisan では、NISA優先ロジックが内部で自動適用されます。

試算手順

  1. 「現在の総資産」と「うちNISA保有分」を入力
  2. 「月の積立額」「想定利回り」を設定
  3. 「取り崩し開始年齢」「月の取り崩し額」を入力
  4. 結果カードで以下を確認:
    • 取り崩し開始時の 税引後 総資産
    • インフレ調整後 の実質購買力
    • 資産寿命(NISA優先取り崩しでの試算)

2つのシナリオ(NISA 1,800万円 + 課税口座 1,800万円 / 全額課税口座 3,600万円)を保存して、税引後の差を比較してみてください。

まとめ

  • 積立期は NISA 最優先(年360万円・生涯1,800万円を埋める)
  • 取り崩し期も NISA 優先(非課税で取り崩し、課税口座は最後)
  • 同じ月10万円積立でも、NISA優先で 約555万円の手取り差
  • 取り崩し期も NISA優先で 約4年の資産寿命延長
  • 例外: 損益通算したい / 短期売買 / 既に大きな含み益がある場合
  • 2026年改正で「年内枠復活」が実現すれば戦略の幅がさらに広がる

NISAと課税口座の使い分けは、シンプルなルール(「まずNISA、取り崩しもNISAから」)に従えば大きく失敗することはありません。

ぜひShisanで NISA優先 vs 課税口座優先 のシミュレーションを行って、ご自身の状況に最適な順番を確認してみてください。新NISAの全体像は新NISA完全ガイド、取り崩し戦略は老後の取り崩しで税金はいくら?もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q新規の積立はNISAと課税口座のどちらから始めるべきですか?
A

原則NISAを優先します。新NISAは年間360万円・生涯1,800万円の非課税枠があるので、これを埋めるまでは課税口座を使う理由がほぼありません。NISA枠を埋めた後の余剰資金を課税口座に回す、というのが標準的な使い分けです。

Q既に課税口座で保有している資産はNISAに移すべきですか?
A

課税口座からNISAへの直接移管はできません。一度売却して再度NISAで買い直す必要があり、その際に課税口座側で利益が出ていれば20.315%の税金がかかります。すぐに移管が得かは「節税効果 vs 課税負担」のシミュレーション次第。Shisanで比較可能です。

Q取り崩し時はどちらから取り崩すべきですか?
A

原則NISAから先に取り崩します。理由は(1)NISAは売却益が非課税なので即時の手取り最大化に寄与、(2)課税口座を長く運用して非課税の含み益を維持できる、の2点です。ただし2026年改正後のNISA当年枠復活を活用する戦略もあります。

QNISAの売却で復活した枠を再投資に使うべきですか?
A

余裕資金がある間は再投資が有利です。NISAの複利効果は非課税のため最大化できます。取り崩し期に入ったら売却=現金化と割り切り、再投資はしないという考え方もあります。家計の状況とライフプランによります。

Qつみたて投資枠と成長投資枠はどちらから埋めるべきですか?
A

両者は同じ非課税効果なので、どちらから埋めるかは商品選びによります。インデックスファンドの自動積立ならつみたて投資枠、個別株や高配当ETFを買うなら成長投資枠、という使い分けが一般的です。両枠合算で年360万円なので、月30万円積立なら両方を併用することになります。

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本記事は情報提供を目的としており、投資・税務に関するアドバイスではありません。実際の投資判断・税務処理はご自身の責任において行い、必要に応じて専門家(税理士・ファイナンシャルプランナー)にご相談ください。掲載情報は執筆時点のものであり、税制改正等により内容が変わる場合があります。詳しくは利用規約をご確認ください。

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