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シミュレーション活用

資産運用シミュレーションの正しい使い方|税引後・実質で見る完全ガイド

10分で読めるShisan編集部
本記事について: 税率・制度・金額等は 2026年6月1日 時点の情報です。本記事は情報提供を目的としており、個別の投資・税務アドバイスではありません。実際の判断は必要に応じて専門家にご相談ください。編集ポリシー
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記事内の試算はShisanシミュレーターで自分の数字で確認できます。(登録不要・無料)

資産運用シミュレーションでわかること・わからないこと

資産運用シミュレーションは、入力した条件に基づいて将来の資産推移を試算するツールです。投資判断の第一歩として広く使われていますが、何が分かって・何が分からないのかを理解せずに使うと誤った結論に至ることがあります。

分かること

  • 一定の前提(利回り・期間・積立額)に基づく将来の資産額の見通し
  • 複利効果の威力
  • 取り崩し時の資産寿命
  • 税引後の手取り(ツールによる)
  • インフレ調整後の実質価値(ツールによる)

分からないこと

  • 個別銘柄の値動き
  • 想定外の市場暴落の影響
  • 政策変更(税制改正など)の将来影響
  • 個人の人生イベント(結婚・出産・転職・病気)への耐性

シミュレーションは「一定の前提のもとでこうなる」というモデルであって、未来を予知するものではないことを理解しておきましょう。

多くのシミュレーターが抱える3つの落とし穴

落とし穴① 「税引前」の数字を表示している

多くのシミュレーターは税引前の数字を結果として表示します。「20年後に3,000万円」と書いてあっても、課税口座での運用なら税金で約400万円が消える可能性があります。手取りは約2,600万円と理解すべきです。

「税引前のシミュレーション」がなぜ危険か、詳しくは「税引前」シミュレーションが危険な理由で解説しています。

落とし穴② インフレを考慮していない

「30年後に5,000万円」も、年率2%のインフレが続けば実質購買力は約2,760万円相当です。名目だけ見ると「老後安心」と勘違いします。詳しくはインフレで資産は目減りする?実質購買力をシミュレーションで可視化で解説しています。

落とし穴③ 取り崩しフェーズを考慮していない

多くは「積立 → 一定期間後の資産」しか出しません。しかし実際には、老後は取り崩しフェーズがあり、ここでの税金(NISA は非課税、課税口座は20.315%)・取り崩し順序・寿命までの持続性が重要です。

正しく使う3ステップ

ステップ① 入力する数字を正確に把握する

入力項目 確認方法
現在の総資産 銀行・証券会社の合計残高
うちNISA保有分 NISA口座のみの残高
月の積立額 給与振込からの積立 + ボーナス分も月割換算
想定利回り 5%(S&P500の長期平均) / 3%(保守)
取り崩し開始年齢 退職予定年齢 / FIRE 希望年齢
月の取り崩し額 月の生活費 − 年金収入
想定インフレ率 2%(日銀目標)

ステップ② 前提を「複数パターン」で試す

「想定利回り 5% で 30年後に3,000万円」だけでは情報不足。以下のパターンを試算しましょう:

  • 保守シナリオ: 利回り3% / インフレ3%
  • 標準シナリオ: 利回り5% / インフレ2%
  • 楽観シナリオ: 利回り7% / インフレ1%

3パターンで「最悪でも◯円、よければ◯円」のレンジが見えます。Shisan では複数シナリオを保存して比較できます。

ステップ③ 結果の読み方

シミュレーター結果でチェックすべき指標:

  1. 取り崩し開始時の総資産(税引前 / 税引後)
  2. 取り崩し開始時の実質購買力(インフレ調整後)
  3. 資産寿命(何歳まで持つか / 何歳でいくら残るか)
  4. 取り崩し開始までの平均利回り(仮定通りに増えたか)

特に #2 の実質購買力が重要。「30年後 5,000万円」より「30年後 5,000万円(実質2,760万円相当)」の方がはるかに有用な情報です。

複利・利回りの基本

シミュレーションを正しく理解するには、複利利回りの基礎が必要です。

単利 vs 複利

比較 単利 複利
計算 元本 × 利率 × 年数 元本 × (1 + 利率)^年数
100万円・年利5%・30年 100万 + (100万×5%×30) = 250万円 100万 × (1.05)^30 = 約 432万円

つまり複利は単利の 1.7倍。30年単位の長期投資では、この差が決定的になります。

「72の法則」

元本が2倍になる年数 ≒ 72 ÷ 利回り(%)

想定利回り 元本が2倍になる年数
3% 約24年
5% 約14.4年
7% 約10.3年
10% 約7.2年

→ 5%でも14年で2倍、30年なら4倍以上。長期×複利の威力です。

想定利回りの妥当性

利回り 過去実績の根拠 推奨用途
3% 債券中心の保守ポートフォリオ 保守シナリオ
5% 米国S&P500の長期平均(インフレ控除後) 標準シナリオ
7% 米国S&P500の長期平均(名目) 楽観シナリオ
10%以上 短期の好調期のみ 非推奨(過大評価)
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税引後・実質で見ると結果はどう変わる?

実際の数字で見てみましょう。

ケース: 月5万円積立 / 20年 / 年利5%

指標 数値
元本 1,200万円
税引前の20年後資産 約 2,055万円
運用益 約 855万円
課税口座の場合の税金 約 174万円
税引後の手取り 約 1,881万円
インフレ2%調整後の実質購買力 約 1,265万円

→ 名目の「2,055万円」が、実質購買力では 1,265万円相当40%近く目減りします。

NISA をフル活用した場合

同じ条件で NISA 口座を使えば:

  • 税金: 0円
  • 税引後の手取り: 約 2,055万円(税引前と同額)
  • 実質購買力: 約 1,383万円

→ NISA だけで 174万円分の節税効果。Shisan ではNISA枠を自動考慮します。

Shisan の使い方(入力項目の意味)

Shisan を実際に使うときの各入力項目の意味を解説します。

主要入力項目

項目 単位 目的
現在年齢 35 積立期間の計算
現在の総資産 万円 300 元本
うちNISA保有分 万円 100 非課税運用分の区別
月の積立額 万円 5 積立期の追加投資
NISA残り枠 万円 1700 NISA優先積立の上限
想定利回り % 5 運用リターン
取り崩し開始年齢 65 出口フェーズ開始
月の取り崩し額 万円 20 退職後の生活費
想定インフレ率 % 2 実質購買力換算
シミュレーション年数 60 全体計算期間

結果カードで確認すべき指標

  1. 税引後の使える資産(メインカード)
  2. インフレ調整後の実質購買力(メインカード)
  3. 取り崩し開始時の総資産(税引前との比較用)
  4. 資産がなくなる時期(または何歳でも残るか)
  5. 年間想定リターン(前提の確認)

下部のチャート年次テーブルで、年ごとの推移を細かく確認できます。

よくある誤解と注意点

誤解① 「想定利回り 5%」は確実に実現する

→ ❌ あくまで過去平均から計算した期待値。実際は単年で-30%や+30%もありえる。長期で見た平均値として理解すべき。

誤解② 「資産2,000万円あれば老後安心」

→ ❌ インフレと税金を考慮すると、実質的に必要なのは3,000-5,000万円になることも。詳しくは老後資金はいくら必要?を参照。

誤解③ 「取り崩しは利益から先」

→ ❌ 元本と利益が混ざるので、課税口座では**「按分」**で計算される。Shisanは内部で原価トラッキングを自動実行。

まとめ

  • 資産運用シミュレーションの正しい使い方は、(1) 入力を正確に / (2) 複数シナリオを試す / (3) 税引後・実質で読む
  • 多くのシミュレーターは「税引前・名目値」しか表示しない → 過大評価のリスク
  • 想定利回りは複利の72の法則で感覚を掴む
  • NISA活用で20.315%の税金を回避できる
  • 名目額ではなく実質購買力で考えることで、本当のゴールが見える

シミュレーションを「未来予知」ではなく「前提に基づくモデル」として使うことで、現実的な資産計画が立てられます。

ぜひShisan で、税引後・インフレ調整後の数字で自分専用のシミュレーションを行ってみてください。複数シナリオを保存して比較するのが最も効果的な使い方です。

各テーマの詳細は新NISA完全ガイド老後資金はいくら必要?インフレで資産は目減りする?もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q想定利回りは何%で計算すべきですか?
A

保守的に見るなら3-4%、現実的なライン(米国株インデックス長期平均)なら5-6%、楽観的なら7%以上です。Shisanでは「複数のシナリオを保存して比較する」ことをおすすめしています。3%・5%・7% の3パターンで試算すると将来の幅が見えます。

Qなぜ税引後で見る必要がありますか?
A

課税口座の利益部分には20.315%の税金がかかるため、税引前の数字をそのまま「使えるお金」と考えると数百万円〜数千万円単位で見誤る可能性があります。NISA口座は非課税ですが、課税口座と併用している場合は両方の税引後を合算する必要があります。

Qインフレ率はどう設定すればよいですか?
A

日本銀行の物価安定目標である2%が標準的な目安です。過去10年は0-2%で推移していますが、2022年以降は2-4%の局面も増えています。保守的に見るなら2-3%、長期20-30年では2%が無難です。シミュレーションでは複数のインフレシナリオを試すと良いでしょう。

Q「税引前」と「税引後」、結果はどれくらい違いますか?
A

課税口座のみで運用する場合、運用益の約20%が税金で減るため手取りは大きく変わります。例えば元本500万円・年利5%・20年運用で、運用後は約1,327万円ですが、税引後は約1,159万円。約168万円の差が出ます。NISA優先で運用すれば差は縮まります。

Q資産寿命は何歳まで持たせるべきですか?
A

厚生労働省の平均寿命データに基づくと、男性81歳・女性87歳が目安です。ただし長寿リスクに備えて「95歳まで持たせる」設計が一般的にすすめられています。Shisanでは取り崩し開始年齢と月の取り崩し額を入力すると、何歳まで資産が持つかを自動計算します。

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本記事は情報提供を目的としており、投資・税務に関するアドバイスではありません。実際の投資判断・税務処理はご自身の責任において行い、必要に応じて専門家(税理士・ファイナンシャルプランナー)にご相談ください。掲載情報は執筆時点のものであり、税制改正等により内容が変わる場合があります。詳しくは利用規約をご確認ください。

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